地元で2度目のタイトルを ~岸和田競輪場~

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稲川翔
2日目のガッツポーズは“ごあいきょう”
300勝は準決、決勝にお預け

 岸和田競輪場で開催されている「第72回高松宮記念杯競輪(G1)」は、6月18日の2日目に白虎賞(西日本)、青龍賞(東日本)がメインで行われた。青龍賞は、福島トリオで上位を独占し、山崎芳仁が一次予選から連勝。近畿勢が2つに分かれた白虎賞は、18年に高松宮記念杯を制している三谷竜生が、逃げた野原雅也の番手から発進して勝ち切った。
 野原ラインと別線になった地元、大阪勢はまくりを打った古性優作マークの稲川翔(大阪・90期)が、外を伸びて8分の1輪差の2着。
 「もう全部(古性に)任せていた。しっかりと受けて、力勝負をしてくれた。ただ、初日も2日目も番手から出られる形になったんで、(古性)優作としては苦しいレースだった。あれが追い込み選手なら、乗り越えていたと思います」と、古性を労った。
 ハンドル投げでわずかに及ばずも、ゴール後は右の拳を控えめに握りしめた。
 「今日(2日目)はゴールで抜いて(通算)300勝だと思って、小さくガッツポーズしてしまった。それはごあいきょうってことで(笑)」
 4月奈良F1の完全Vで299勝。区切りのメモリアルにリーチをかけたが、ダービー、函館記念の2場所で足踏み。地元バンクでの300勝に、周囲から期待も高まっていた。冷静な稲川にしてはめずらしいシーン。それだけに自ちょう気味に振り返った。
 「現状の力を100パーセント出すように心がけている。(自分のコンディションは)何ら問題はないです」
 3日目、正念場の準決は、白虎賞で別線となった野原の番手。野原の動きも悪くないだけに、今シリーズの松浦悠士なら太刀打ちできないことはない。14年宇都宮で開催された高松宮記念杯を制してから、7年の歳月が流れた。その間に6度のG1優出も、2度目のタイトルを手にすることはなかった。リニューアルされた地元バンクでタイトルを。その時は高々と拳を天に突き上げよう。

竹内祥郎記者

2021年6月18日 20時41分

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