充実一途の白上翔 ~高知ミッドナイト~

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白上翔
完成された走りで主役を務める
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小浦凪
同期のライバル不在で負けられない

 同じく本日3月8日開幕の高知ミッドナイトは、小笹隼人、白上翔の近畿コンビがV争いをリードする。本命に推す白上はA級きっての自在選手で、直近2月防府では藤原俊らを破って優勝している。ここは過去に連係実績もある小笹を目標のレース。S級では単騎になるなど苦しいレースが続いた小笹も降級後は機動型として存在感を取り戻した。その小笹が主導権を握る展開なら腕の見せ所となろう。きっちりガードから鋭く抜け出す。
 宗崎世連ももちろん、黙っていない。1月の当所戦が未実施となったこともあってレース間隔が空き、降級後はまだ2場所しか走っていないが、この地元戦から波に乗っていきたい。強烈ダッシュで繰り出す快速カマシ、まくりの威力には定評があるところ。また、後輩の今村麟太郎と同乗なら番手で有利に運べる可能性もある。ホーム戦のアドバンテージを生かして結果を出すか。廣川泰昭、宮本佳樹、芳野匠と援軍はそろっている。
 新納大輝、佐々木翔一の九州勢も一発があっていい。フレームを戻して感じが戻ってきた新納のカマシ、まくりが決まればライバルをまとめて沈黙させられる。また、新納も新鋭・谷元奎心と組めればレースが変わってくる点も注目ポイントだ。

 白上はS級経験がこれまで通算3期しかないのが不思議な実力者。失格が多いためだが、持ち味の自在戦はA級で走らせておくのが勿体ない完成度の高さだ。幸い前期は失格もなく、指定練習中の事故で肩を脱臼し2カ月近い欠場はあったものの、2V、準V2回など成績をまとめて19年前期以来のS級復帰が見えているし、今期も4場所で2V。抜群の安定感だ。“スランプは感じたことがない”との言葉が頼もしい。目標にした選手が頑張ればしっかりガードしての抜け出しを決めてくるし、ダメでもコースを見付けて鋭く伸びてくる。

 チャレンジは、同期のライバルが特班や怪我で不在となった小浦凪の独壇場となりそう。養成所時代に2回A評価も獲得している好素材で、昨年は3V、今年も2月別府ミッドナイトで優勝している。別府の優勝は同県同期の長屋秀と同乗して2度目の番手戦で手にしたものだったが、もちろん、ここは本来の持ち味である自力で勝負。後に特班した枠元一を着外に沈めたような前のスピードを使ってのまくりが必勝パターンだが、“前期は小さい競走が多かった。最近は苦手な逃げの決まり手も増えてるし、戦法の幅が広がった”と初の長走路戦となるここも積極策で力を示す。

権田浩一記者

2021年3月8日 13時25分

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