南修二が冷静な判断力と鋭い伸びで白星スタート ~福井競輪場~

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南修二
多くは語らずレースで魅せる
連係実績ある地元の脇本雄太と別線攻略を目指す

 9月12日に福井競輪場で行われた第41回共同通信社杯のシリーズ初日6レースに登場した南修二(大阪・88期)は同郷の谷和也を的確にリードしてS班の犬伏湧也を見事に攻略して白星スタートを決めた。
 正攻法に構えていた谷は後ろ攻めから上昇してきた犬伏を赤板で突っ張ってそのまま先行態勢へ。打鐘過ぎに巻き返しを狙った犬伏が後続を千切るほどのスーパーダッシュで巻き返してきたが、南は決して慌てない。南のブロックを警戒してイエローライン付近を踏み込む犬伏は冷静に見送り、谷を追い掛けさせる。最終バックで車間を空ける余裕ぶりで、谷が犬伏に追いつかないと判断した最終2センターから一気に踏み込むと、ゴー寸前でズバッと差し切った。
 
 「今回はたまたまうまくいきましたけど、うまくいかないときだってある。今日はたまたまですよ」
 南はいつであろうとも謙遜する姿勢を崩さない。多くを語らず、自分の仕事に徹する生粋の職人気質。冷静にレースを分析しつつ、淡々とコメントする。
 「(犬伏は)止まるスピードでもなかったし、1人なのもわかった。あとは谷(和也)がどれだけ追いかけていけるかだった。バックで追いつく感じなら面白かったけど、詰まっていかなかったんで。自分が踏もうと思ってからは谷が自分の力で残っただけなんで。椎木尾も後ろにいたんで連れ込まないと思って行きました。(最終2センター付近から踏む判断をして)ちょっと遠かったので、届くかどうかわからなかった。犬伏も長い距離をいっていたんで、なんとか届いた感じですね」
 
 5着権利(6着は3名のみ勝ち上がり)という勝ち上がり概定で、南に最後まで庇ってもらい5着で二次予選Bに駒を進めた谷か「最後の最後まで南さんが残してくれたおかげです」と感謝しきり。後ろを回った椎木尾を3着まで引き込んで、S班の犬伏湧也を相手に見事にライン3名で一次予選突破に成功。完ぺきなレース運びで白星をもぎ取った。
 
 2日目は二次予選Aの12レースで地元の脇本雄太とタッグを組む。6月高松宮記念杯の2走目は11秒0でまくる脇本に付け切りワンツーを決めており、8月函館オールスター競輪の準決勝では10秒8で逃げる脇本をリードしてともに決勝進出を決めている。賞金ランキング8位につけている南にとっては地元地区で行われている今大会で好結果を残せれば、年末のグランプリ出場もグッと近づくだろう。スピード化が進む競輪界の流れに対応して日々進化してきた南が脇本雄太の仕掛けに完ぺきに付け切って別線攻略を目指す。


細川和輝記者

2025年9月12日 20時00分

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