第35回寛仁親王牌が開幕 ~弥彦競輪場~



ローズカップ進出を賭けて火花を散らす
10月9日から弥彦競輪場で『第35回寛仁親王牌 世界選手権記念トーナメント』が幕を開ける。年末のグランプリ出場を懸けた賞金バトルは、例年にも増して接戦ムードで、今大会の結果次第では賞金ランキングが大きく変動する可能性もあるだろう。
初日10レースの特別選抜予選に登場する新山響平はグランプリ出場を懸けた賞金争いの渦中におり、9位の郡司浩平とは84万7000円差(10月7日現在※選考用賞金獲得順位※JKA調べ)に付けているが「タイトルを獲って出たい」という思いにブレはない。
「今年は特に賞金争いが接戦ですし、このまま賞金で競っていっても厳しいと思う。やっぱりグランプリに出るにはG1で優勝するしかないなって思っていますし、しっかり頑張りたい。ローズカップも大事ですけど、まずはしっかり決勝に乗れるように。そのためにも初日からしっかり自分のレースをして2日目以降につなげていきたい」
近況の新山は別線に警戒されるがゆえにまくりも増えていたが、前回の松阪記念は4日間とも先行で勝負して確かな手ごたえをつかんだ様子。弥彦はみなし直線が63.1メートルと先行屋泣かせのバンクではあるが、苦手意識はない。過去に弥彦で行われた寛仁親王牌は2度の優出実績があり、相性良いバンクで流れを引き寄せたいところ。
「弥彦は直線が長いイメージですけど、先行しても残れているイメージですし、コーナーの感じも好きですね。前回の松阪はフレームを前に使っていたものに戻しました。今年は6月くらいから小さいフレームに換えていましたけど、こっちの方が自分のリズムに合っている。前回の松阪でいい感覚をつかめましたし、一走、一走、大事に戦っていきたい」
初日は前回の松阪記念でも3回連係していたS班の阿部拓真が援護役。自在タイプの室井蓮太朗や、まくりに比重が高い嘉永泰斗や河端朋之が相手なら駆けやすいメンバー構成と言えそうで、ライン2車でも強気な走りで別線攻略を目指す。
初日11レースの特別選抜予選に登場する深谷知広は選考用獲得賞金額が9400万円を超えて、賞金ランキング6位に付けているが、まだまだ油断はできないだろう。現状の課題と向き合いながら、さらなる賞金加算を狙っている。
「前回は疲れをコントロールできなかったですね。やっぱり4日間踏み切る力が落ちているなって感じていますし、そこを踏まえて戦っていければ」
共同通信社杯の準決勝は2周駆けに出て別線を完封していたが、肉体へのダメージは大きく、大事な決勝戦を前に体力ゲージは想像以上に削られていた。今の深谷にとってはいかに余力を残して決勝戦に臨めるかがポイントとなりそうで、初日から前回りを志願してくれた松井宏佑の存在は大きいだろう。
「そういった(体力)面では大きいですけど、番手回りは自力と違って考えることも増える。しっかりと対応できるようにしたい。松井と力を合わせて頑張りたい」
深谷は弥彦バンクとの相性が良く、さまざまな思い出が詰まっているバンク。初日は強敵ぞろいの一戦となったが、松井をリードしながらローズカップ進出を睨む。
「弥彦はG1で優勝もありますし、(G1決勝で)金子(貴志)さんとのワンツーもあってイメージはいいですね。でもここ最近は(弥彦G1での)成績が良くないので、イメージを変えられるように頑張りたい」
初日のメイン12レースの『日本競輪選手会理事長杯』に出場する郡司浩平は昨年のグランプリ王者ながらも今年のG1戦線は苦しい戦いが続いていた。前回の松阪で今年2度目の記念制覇を達成して賞金ランキングは9位まで浮上。今年も残り2つとなったG1タイトル奪取を目指し、リズム良く今シリーズに臨む。
「(松阪記念を走って)ここぞというところでは反応できているので、その部分に関してはいいと思いますね。しっかりと動けましたし、いい感覚をつかめたと思います。自力の時は責任感のある走りを心掛けてやっているので、いつでも自力を出せる準備はしています」
今シリーズは前回の松阪記念から中3日とタイトなスケジュールではあるが、表情からは疲れは感じられない。程よい緊張感を保ったまま臨戦態勢を整えている。
「(前回が終わってからは)調子を落とさずに体調面に気を付けて、感覚を落とさないようにやってきました。(直前の感覚は)変わらないですね。(自転車は)特に変えていないですけど、いい感覚のまま戦えると思います」
『日本競輪選手会理事長杯』は3車そろった近畿ラインも強力ではあるが、新田祐大に任された小原もやる気満々で両ラインで激しい仕掛け合いになる可能性も十分にありそう。1番車を生かせる郡司は好位をキープして冷静に戦況を見極め反撃に出る。

細川和輝記者















