川口輝明が引退を表明 ~川崎競輪場~

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川口輝明
衰えぬ闘志とタテ脚を武器に最後まで戦い抜いたベテラン
35年7カ月の現役生活に幕

 3月28日(日)から行われていた川崎ミッドナイト競輪は30日(火)に最終日が行われた。そして、チャレンジ決勝8Rに出走した川口輝明(北海道・56期)が今開催限りでの引退を表明した。

 初日1着、準決勝4着で決勝進出を決めた川口は「初日の1着が効いたね。島田(茂希)君が初日に頑張ってくれたおかげ」といつもと変わらない笑顔で振り返った。今年1月にチャレンジ降班となったが、これで今期4度目の優参。まくりも繰り出すなど、まだまだ現役でも通用する脚はある。「今年からワットバイクの練習を取り入れたら、それが良いんだよ。最後まで踏めているし、2班の点数も取れそうなんだけどね。でも、5年先のことを考えたら。今は調子が良いけど、その先は分からない。5年、10年先の事を考えて」。
 これからは函館競輪場でガイダンスの職に付くようで「2月くらいにガイダンスの話が来て、このタイミングかなと思った」と、余力を残しながらも引退を決意した。
 一番印象に残っているレースを聞かれると「デビュー戦かな。まだ新人リーグのころ。宇都宮で7、8、6着だったんだよ。何もできなかったし、これから大丈夫かよと思った。その開催が一番残念で仕方なかった。でも、その次の開催、西武園で初優勝できたんだよ」と懐かしそうに振り返った。
 ラストランとなったチャレンジ決勝戦は関東の3番手回りを選択。正攻法に構えた平川雅晃が赤板過ぎに對馬太陽を突っ張り主導権。5番手まで下げた對馬が最終3コーナーからまくり上げたが、3番手で車間を空けていた川口が外を張りながら力強く踏み込む。結果的に平川がそのまま押し切りラインでの決着となったが、最後の最後までしっかりと見せ場を作り現役生活に幕を下ろした。

熊谷洋祐記者

2021年3月31日 10時30分

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