1・2班戦、チャレンジともに混戦 ~武雄ミッドナイト~

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前田義和
前S級で実績上位の存在だ
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島村匠
降班後、初Vのチャンス到来

 9月27日からの武雄ミッドナイトは、降級後すでに2Vを飾っている前田義和を主役に期待する。S級でも一発あった選手だけに、スピードと組み立てのうまさはA級ではやはり抜けている。しかも今回は、地元の小林弘和、高木和仁らの援護があればライン的にも強力だ。好機に飛び出して、若手機動型を一蹴してしまうか。
 2月の特班から大半の場所で決勝に乗りながら、あと一歩で1・2班戦初Vに手が届いていないのが武田亮。後手を踏まずスケールの大きい組み立てを心掛けているが、東の援軍が手薄なここは勝つ競走に徹する。準V3回、決勝3着4回という戦績の通りの善戦マンぶりは返上したい。
 久樹克門、高市訓但の四国コンビ、山崎駿哉もVを争う。3者ともに安定感抜群な近況で、一発があってもいい。

 本命に推した前田は、2月奈良記念前期までの1年間S級を走った実力者。大きい着が目立った反面、“(今年に入って)ずっと調子も良かったし、S級の流れもつかめてきた”と、2月奈良記念を始め、随所で1着も取って機動型として存在感をアピールしていた。好調を保った中での降級となったことに加え、A級に備えて“めちゃくちゃ練習した”成果が7月当所、8月玉野の連続優勝だ。当所決勝は阪本和-樫山恭-中村雅の強力ラインを封じての逃げ切り勝ち、玉野の決勝は好位キープからのまくり勝ちだったが、上がりタイムは11秒2。元々が自転車の名門大学出身で、国体スプリント優勝の実績で競輪学校には技能免除で入学したほどの逸材。当所も今期だけで3度目の登場と完全に手の内に入っている。売り出し中の若手が相手でも、タイミング良く飛び出せば先行でもまくりでも勝てる。

 チャレンジは、あっせんのあった阿部将大が特班して不在となったため、やや混戦模様になった。117期は和泉尚吾と、怪我から復活を目指す中村翔平の2人。ここは島村匠を本命に推したい。チャレンジでは機動力上位の存在で、今はルーキーと練習していることあって、新人相手にも脚負けせず順当に結果を出している。中でも降班3場所目の8月小倉の動きは抜群だった。112着と、後に特班した石原颯の前に優勝はならなかったが、上がり10秒9のまくりで猛然と迫った強さは走り慣れた小倉バンクだったことを差し引いても本物だ。準決では上がり11秒1で勝っている。自力でも、同県の中村の番手でもきっちり決める。
 意表を突いての内抜け先行だったが、緒方将樹-伊藤旭の熊本勢を破って8月別府ミッドナイトを優勝している和泉が強敵。番手有力な谷口幸司も切れ味目立つ近況で、四国コンビで決着も十分だろう。
 また、前期1班でさすがの差し脚を誇る三宅旬の動向も見逃せない。

権田浩一記者

2020年9月26日 14時11分

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