古屋琢晶のタテ攻撃 ~松山ミッドナイト~

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古屋琢晶
好機を逃さず仕掛ける
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森田達也
新人相手に底力を見せる

 実力互角のメンバー構成で狙いは絞りにくいが、自力攻撃の破壊力なら古屋琢晶が一番だろう。昨年後期のS級戦は同格戦で好走していたし、今期のA級戦では逃げとまくりを使い分けて3場所で2場所は準決を圧勝している。関東スジで石川裕二が古屋とタッグを組む。両者は昨年10月青森のS級予選で連係していて、鮮やかにまくった古屋を石川が差してワンツーを決めている。
 地元の今野大輔も有力な優勝候補だ。昨年後期のS級戦は落車が多く波に乗れなかった印象だが、好スパートを決めたときは連にからんでいた。峰重祐之介、土井勲の岡山勢の援護を受けられればライン的にも強力。ホームバンクで仕掛けどころは心得ているだけに、機動力を遺憾なく発揮してのVゲットもありうる。
 魚屋周成の単にも魅力を感じる。昨年の11月は2V、その後も優参が続いていて、一時期の低迷からは完全に抜け出している。本来の自力戦でも侮れないが、同県の阿部将大の番手なら一層Vへと近付く。

 19年に続き降格となった古屋だが、昨年のS級でもコンスタントに連対しており、やはり格上の自力型だ。直前の1月松戸ミッドナイトの準決では新人の坂本紘をまくれず途中欠場となったが、その前の準決の2走はカマシ、まくりで後続をぶっ千切って圧勝している。“自分でやれることをやるだけなんで、行ける所から仕掛けて力を出し切るだけ。降級前も予選で2着に入れた。結果は二の次だけど、自信を持って走る”。ここも臆せずタイミングを逃さず仕掛けて今期初Vをゲットする。

 チャレンジも混戦模様。注目したいのは森田達也だ。前期から着実に盛り返してきていて、10月宇都宮、最終戦の12月平で決勝に乗り、勢いのままに降班の今期も1月小倉ミッドナイト、松戸ミッドナイトを続けて準Vと実力を披露している。長らくS級で活躍したエリートだったが、東日本大震災の原発事故で古里を追われたり、落車で大怪我を負ったりで低迷。再びチャレンジに降格となったが、冬期移動先の千葉で今期に向けて正月返上で気合を入れて練習してきた成果が出て、初戦の小倉の準決で今回も対戦が見込まれる山川奨太を破って勢いに乗った。“脚も軽かったし、冷静に走れた”。新人相手に自力自在戦で結果を出しているのだから、ここも信頼性は高い。
 もちろん、山川、佐藤健太の九州勢、岡田亮太、藤光健一の東京コンビ、倉松涼も差のないV候補。各々の組み立て次第で結果はガラッと変わってくる。

権田浩一記者

2021年2月9日 13時49分

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